2012年2月の読書メーター

2月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:5025ページ
ナイス数:104ナイス

中途半端な密室 (光文社文庫)中途半端な密室 (光文社文庫)
初期作品集。この段階で既に現在の作風が固まっており、一貫した創作姿勢に感心する。ただまだこの頃には「ギャグに伏線を織り込む」ことまではあまり意識していなかったように思える。ミステリとしてはデビュー作である表題作「中途半端な密室」が最も合理的かつ現実的で良かった。
読了日:02月29日 著者:東川 篤哉
シンデレラの罠【新訳版】 (創元推理文庫)シンデレラの罠【新訳版】 (創元推理文庫)
もちろん旧訳版も読んでいるが、新訳版は読み難さが改善され、人物描写もよりはっきりしてトリックも効果的になった。エポックメイキングな名作であることには変わりはないが、解説を読んで、今までとは違った印象を得ることが出来た。解説も込みで、再読して良かったと思った作品。
読了日:02月29日 著者:セバスチャン・ジャプリゾ
この謎が解けるか?: 鮎川哲也からの挑戦状! 1 (鮎川哲也からの挑戦状! 1)この謎が解けるか?: 鮎川哲也からの挑戦状! 1 (鮎川哲也からの挑戦状! 1)
往年のNHK謎解き番組「私だけが知っている」の鮎川哲也脚本の単行本化。資料的価値は非常に高いが、謎解きとしては今読むとちょっと弱い。それでも、鬼貫警部・丹那刑事が登場する「アリバイ」には列車アリバイがあるなど、随所に鮎川らしさが出ている。同じ番組の脚本執筆をしている夏樹静子へのインタビューが巻末にあって、当時のTV番組に関わる苦労話が満載で面白い。
読了日:02月28日 著者:鮎川哲也
さいごの色街 飛田さいごの色街 飛田
面白い。取材の内容よりも、取材対象に挑んでいく著者のチャレンジ精神こそが最大のドキュメンタリーとなっている。もちろん内容も、かなりの部分まで踏み込んでいて(ヤクザの親分や警察まで取材している)非常に興味深い。
読了日:02月26日 著者:井上 理津子
42.195 (カッパノベルス)42.195 (カッパノベルス)
普通の誘拐サスペンスかと思っていたら(犯人の要求は飛び切りユニークだが)、とてつもないバカネタが待っていた。いかにもクラニー先生っぽい。ネタそのものはアンフェアギリギリだが、伏線がありすぎて笑ってしまう。
読了日:02月26日 著者:倉阪 鬼一郎
騙し絵の館 (創元クライム・クラブ)騙し絵の館 (創元クライム・クラブ)
読了日:02月25日 著者:倉阪 鬼一郎
四神金赤館銀青館不可能殺人 (講談社ノベルス)四神金赤館銀青館不可能殺人 (講談社ノベルス)
超弩級のワンアイデアバカミス。しかし伏線の張り巡らし方も絶妙。あれもあれも伏線だったのか。
読了日:02月21日 著者:倉阪 鬼一郎
遠い旋律、草原の光 (ハヤカワ・ミステリワールド)遠い旋律、草原の光 (ハヤカワ・ミステリワールド)
クラシック音楽と、三代に亘る恋愛物語、そしてクラニー先生お得意の凝りまくった暗号。ストーリーも感動的で、ロマン路線では著者の到達点だと思う。
読了日:02月20日 著者:倉阪 鬼一郎
仙台ぐらし仙台ぐらし
伊坂ファンはなんとしてでも入手して読むべし。いつもの飄々とした語り口が癖になり、もっと読ませてくれ、と思わずにはいられないくらい面白い。震災以降のエッセイも、もちろん深刻な部分もあるが、雰囲気は全く変わることがない。
読了日:02月19日 著者:伊坂 幸太郎
紙の碑に泪を (講談社ノベルス)紙の碑に泪を (講談社ノベルス)
最近のクラニー先生の「バカミスの極北」的な作品群を先に読んでいるので、このくらいなら可愛いものだと思ってしまうが、これでも相当なバカミス都筑道夫『三重露出』的な趣向もあり、それ以上に全編に張り巡らされた暗号には、よくやったな、という印象が残る。
読了日:02月19日 著者:倉阪 鬼一郎
薔薇の家、晩夏の夢 (創元クライム・クラブ)薔薇の家、晩夏の夢 (創元クライム・クラブ)
ゴシックホラー風でありながら、実は暗号だらけの小説。お腹いっぱいです。
読了日:02月19日 著者:倉阪 鬼一郎
野いばら野いばら
読了日:02月17日 著者:梶村 啓二
歪笑小説 (集英社文庫)歪笑小説 (集英社文庫)
やっぱり業界の裏ネタって面白いよね。必ずしも否定的なものばかりでないところも良い。いずれにしても、東野圭吾だからここまで書いても許されるような雰囲気はあるかも。表紙に写っている本や巻末広告まで凝りまくってて、文庫オリジナルでここまで楽しませてくれれば満足。
読了日:02月12日 著者:東野 圭吾
真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒 (ポプラ文庫)真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒 (ポプラ文庫)
前作よりも人物造形にさらに深みが増し、ストーリーにすんなりのめり込めるようになった。事件の興味も最後まで引っ張る力があって面白いが、ミステリマニアの目から見るとちょっと詰めの甘さが残るのは惜しい。まだ続きそうな雰囲気もあって、さらなる展開が楽しみだ。
読了日:02月07日 著者:大沼紀子
図解・テレビの仕組み (ブルーバックス)図解・テレビの仕組み (ブルーバックス)
技術的な詳細まで理解するのはなかなか難しいので飛ばし気味に読んだが、テレビが映るしくみは分かった。
読了日:02月07日 著者:青木 則夫
代官山×オトナTSUTAYA読本代官山×オトナTSUTAYA読本
本とは文化なのだということを改めて思わせてくれる。次回の上京時には絶対に代官山に行こう。
読了日:02月07日 著者:倉方俊輔
戦艦大和 最後の乗組員の遺言戦艦大和 最後の乗組員の遺言
実際の乗組員だった人の証言のため圧倒的なリアリティがある。一個人から見たリアルな戦争が語られている。
読了日:02月06日 著者:八杉 康夫
偉大なる、しゅららぼん偉大なる、しゅららぼん
主人公たちの「力」についてあえて多く触れないまま進んでいく「放置感」は『鴨川ホルモー』を彷彿とさせる世界で、個人的にも大好きなネタ。それだけに「力」の詳細が判明してからやや中弛みが感じられてしまったが、ラストの伏線回収が素晴らしくて結果オーライだった。こういう作品世界は万城目学にしか書けないだろう。
読了日:02月05日 著者:万城目 学
ヒロシマ ―壁に残された伝言 (集英社新書)ヒロシマ ―壁に残された伝言 (集英社新書)
学校の壁に奇跡的に残っていた伝言の数々を追ったドキュメント。文字解読の先に見えてくる人間ドラマ。本書では9.11テロと絡めているパートがあるが、今となっては東日本大震災のことにも思いを馳せずにはいられない。
読了日:02月05日 著者:井上 恭介

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