絶対ブレイクするぞ! 天才ホラー作家、澤村伊智から目を離すな!

澤村伊智さんは、『ぼぎわんが、来る』で日本ホラー小説大賞を受賞してデビューしたホラー作家です。

ぼぎわんが、来る

ぼぎわんが、来る

この人、マジで天才ですよ! まだブレイクしてるとは言い難いですが、絶対にブレイクしますよ。今のうちに読んでおいてほしい、そして追いかけてほしいです。


『ぼぎわんが、来る』は実にオーソドックス。「ぼぎわん」なる得体の知れないものがやって来る、その恐怖を描いた小説で、構造自体はシンプルなのに、これがめちゃくちゃ怖い。騙りの巧さ、なんだと思います。


2作目『ずうのめ人形』は、実は今日読みました(3作目が凄かったので……)。ある小説を読んだ人が次々に呪い殺されてしまう。殺されたくなければ、ある呪文を唱えるか、同じ小説を他の人に読ませなければならない。その期限はわずか4日……。明らかに『リング』の系譜にあたる作品ですが、完成度の高いホラーミステリになっていました。ちゃんとミステリ的な驚きも用意されています。

ずうのめ人形

ずうのめ人形


そして3作目が『恐怖小説 キリカ』。これは前2作を上回る怖さ! というか、前2作を読んでから読むと、余計怖いはずです。

恐怖小説 キリカ

恐怖小説 キリカ

主人公・香川が「澤村電磁」の名前で投稿した『ぼぎわん』が、日本ホラー小説大賞を受賞するところから始まるのです。「澤村電磁」は出版までに「澤村伊智」と名前を変え、タイトルも編集者のアドバイスで『ぼぎわんが、来る』に変わって世に出ます。つまり、澤村さんの実体験がベースになっているのです。その香川は創作グループで小説を書きながら仲間と切磋琢磨しており、全員が受賞を喜んでくれたのですが、うち一人が変な解釈をfacebookに投稿。さらに「俺がお前をプロデュースした」と言い出し、拒否すると怪文書をばら撒き出す……。さらにKADOKAWAの担当編集者も謎の交替が……。どこまでが事実なのか、と思っているうちに、強烈に怖い世界に連れて行かれます。
そしてなんと、これはまだ第1章にすぎず、ここからさらに凄い展開が待ち受けています。『ぼぎわんが、来る』を酷評していた人がいるなら、身辺には気をつけておいた方がいいかも知れませんよ……。
スティーヴン・キングの『ミザリー』を思わせる展開ですが、こちらの方がはるかに怖いですよ。


そう、澤村伊智さんは、 紛れもなく、天才ホラー作家です。いまのうちに、チェックしておいてください!