新刊買った&買うぞ
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/06/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/07
- メディア: 単行本
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この本も表紙が素晴らしい。今年見た本の中でも群を抜いて素晴らしいと思う。
奥田英朗『サウスバウンド』
- 作者: 奥田英朗
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/06/30
- メディア: 単行本
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元・伝説の闘士の息子として産まれた少年の成長物語。独特の思想に振り回されながら、子供たちの領域を生き抜く二郎とその周囲の子供たちの青春群像として、前半はとても面白い。実は本作は二部構成で、第一部はカツに立ち向かう二郎たちの物語として素晴らしい(特に後半の黒木の姿がいい!)のに、第二部でいきなり上原一家が沖縄の離島に引っ越してしまう。そこから、どうにものんびりと話が進んでしまう。「北の国から」ならぬ「南の国から」か、または椎名誠の世界そのままなのだ。えーこのまま終わっちゃうの? と戸惑っていたが、その島にリゾート開発の動きが出て、それに父が反抗し始めるあたりから、俄然面白くなる。ここに来てようやく、第一部で散々見せられてきた父の妙な思想・言動が、具体的に力を帯びてくるのだ。ただの「ヘンな外国人」と思われていたベニーさんの意外な活躍とか、校長先生とか(校長先生の朝礼の話が素晴らしい!)、新垣巡査とか、いいキャラクターが満載で、いつの間にか読んでいるこちらまでが父・一郎を応援しているのだ。そんな父を見ながらまた一歩成長する二郎の姿が眩しい。いやはや参った。参りました。素晴らしい小説でした。やっぱり奥田英朗は最高だ。これで直木賞取れば良かったのに。
(この感想はプルーフを読んだ時のものです)