福田和代『プロメテウス・トラップ』

プロメテウス・トラップ (ハヤカワ・ミステリワールド)

プロメテウス・トラップ (ハヤカワ・ミステリワールド)

サイバーテロの頭脳戦。連作短編集というよりは長編小説と言っていいだろう。騙し騙されの心理戦の要素もあり、どんでん返しが見事に決まる。もっとも、進むにつれてパターンが見えてくるのが欠点ではあるのだが。
サイバー物なので過去の福田作品ほど派手さはないけれど、読み応えは充分。

管賀江留郎『戦前の少年犯罪』

戦前の少年犯罪

戦前の少年犯罪

少年犯罪は戦前にも日常的にあった。『素人の私がちょっと調べただけでこんなに出てくるのに、世の評論家はろくに調べもせずに「最近の少年犯罪はひどい」と平気で主張する』という皮肉に満ちた本。

三浦しをん『神去なあなあ日常』+村上春樹『1Q84』

本屋大賞ノミネート作品、未読の残り2作品を読んだ。


神去なあなあ日常

神去なあなあ日常

我々の知らない、体験できない林業の村の独特な世界が伝わる小説。全体的な雰囲気がよかった。



1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 2

1Q84 BOOK 2

謎の殺し屋・青豆パートと、天才少女作家「ふかえり」を世に送り出すことになった作家志望の天吾パート。BOOK2に入ってから二つが交錯し、パラレルワールドの世界がなんとなく見えてくる。しかし、かなり面白くなってきたところで唐突に終わってしまう。今言うのは完全に「後出しジャンケン」になるが、これは続きがあるに決まってるよね。


というわけで、本屋大賞の二次投票も完了した。4月20日の発表が楽しみだ。