2006年賀企画「政宗ブックメーカー」

注:ここは2006年年賀状のフォローページです。年賀状が届いた方への「お楽しみページ」ですので、リンクはご遠慮願います。偶然このページに気付いた方も密かにほくそえんで、出来ればリンクしないようにしてくださいね(強制するものではありませんが)。


政宗ブックメーカー」は、かつてフジテレビで放送していた深夜番組「TVブックメーカー」が元になっています。直近に起こる予定の「くだらない出来事」を予想する番組でした。それをミステリと本の世界に応用させたのが「政宗ブックメーカー」です。
「初夢企画」と年賀状にありますが、募集は本当にやります。奮って予想してください。(募集要項はこのページの一番下にあります)


ルール:
以下の3つの問題を予想して、政宗が設定した倍率(オッズ)を参考に、持ち金「100カノッサ」を振り分けて賭けてください(「カノッサ」は「TVブックメーカー」で使われたお金の単位)。3問全てに答える必要はありません。問題1に100カノッサ全てを投じてもいいし、持ち金を残してもOKです。3つの問題の結果が確定した時点(6月末)で最も持ち金が多くなった方を優勝とします。締め切りは、最初に問題の答えがある程度限られてくる「本屋大賞の二次投票ノミネート作品」の発表までとしますので、1/19が締め切りになります
それでは、年賀状で発表された問題と、その解説です。

問題1:今年の「本格ミステリ大賞」(5/12決定)は?
オッズ:
『容疑者Xの献身』3:1
『扉は閉ざされたまま』4:1
神様ゲーム』6:1
『ニッポン硬貨の謎』10:1
弥勒の掌』20:1
『摩天楼の怪人』50:1
『六とん2』300:1
その他の作品 25:1

本格ミステリ大賞」はまず「本格ミステリ作家クラブ」会員によるアンケートを元に、1月下旬に「予選委員」による合議制で候補5作品が発表されます。それから5作品全てを読了した会員による記名投票により、最も票を集めた作品が「本格ミステリ大賞」として選ばれます。
2005年は東野圭吾の年でした。「このミス」「本ミス」「週刊文春ベスト」の三冠を制覇した『容疑者Xの献身』は、本格としても高く評価されており、最も「本格ミステリ大賞」に近い作品であることは疑いありません。しかし、二階堂黎人氏による批評とその反響が、ややネガティブな方向に動いてしまうかも知れません。東野氏が「本格ミステリ作家クラブ」の会員ではないことも不利かも知れません
では、もし東野ではないとしたら、どの作品が受賞するでしょうか? 最も近いのは、石持浅海『扉は閉ざされたまま』でしょう。「このミス」「本ミス」ダブル2位となった作品は、本格の傑作として選ばれても異論は少ないでしょう。ただし動機の弱さが気になるところです麻耶雄嵩神様ゲーム』も評価の高い作品ですが、賛否両論のオチがどう響くか。「このミス」で栄えある(?)「バカミス大賞」に輝いた北村薫『ニッポン硬貨の謎』も本格の情熱を感じる作品ですが、本格ミステリ作家クラブ」の役員であることが不利に働くのかも知れません我孫子武丸弥勒の掌』は私も好きな作品ですが、「本格の面白さではない」というネガティブな評価も多いので厳しそうです。島田荘司『摩天楼の怪人』は久し振りに良く出来た作品でしたが、島田荘司自身が受賞を嫌う傾向があります(協会賞も毎年辞退していました)ので、もし候補になってもノミネートそのものを辞退する可能性が高いと思われます。蘇部健一『六とん2』は、まあ、「どの作品でも可能性はある」ということの一例として挿入しました。これらの「有力候補」以外から意外な伏兵が台頭してくるかも知れません。「あの作品があるじゃないか!」という方は「その他の作品」にベットしてください。

問題2:「第3回本屋大賞」(4/5発表)に輝くのは?
オッズ:
『東京タワー』2:1
『サウスバウンド』3:1
『容疑者Xの献身』6:1
『死神の精度』10:1
『さくら』13:1
その日のまえに』16:1
ナラタージュ』20:1
『六とん2』30000:1
その他の作品 8:1

本屋大賞」は、エントリーした全国の書店員(アルバイトも可)が一年を通じて「これは売りたい」と思った本ベスト3をまず投票、1/20にその結果からベスト10が発表されます。それがそのまま「二次投票」のノミネート作品となり、二次投票は参加書店員がノミネート10作品を全て読んだ上でベスト3を投票、結果最もポイントの高い作品が「本屋大賞」となります。
そんな「本屋大賞」に選ばれそうな作品は何でしょうか。リリー・フランキー『東京タワー』の圧倒的優位は今でも揺るぎないところです。投票した書店員も集まる発表式において、壇上にリリー・フランキーが立っているシーンは「絵になります」。ただし、これだけ売れてしまった(50万部突破)ことがマイナスに働くことは考えられます。もう充分売れている本を「もっと売りたい」はないだろう、というわけです。
対抗馬として急浮上したのは奥田英朗『サウスバウンド』です。この作品は、紀伊国屋書店の書店員が選ぶ「キノベス」で1位になりました。実は過去2回の本屋大賞は、「キノベス」の1位が選ばれる、ということが続いています。ならば、『サウスバウンド』の受賞は充分考えられます。評価が高い割にあまり売れていないのも、ポジティブファクターです。ミステリのジャンルから有力候補になりそうなのが、東野圭吾『容疑者Xの献身』と伊坂幸太郎『死神の精度』です。この二人も「壇上に立つと絵になる」作家です。書店員に伊坂ファンはとても多いのです西加奈子『さくら』、重松清その日のまえに』、島本理生ナラタージュ』は、一般小説を代表する作品として有力候補です。いかにも「本屋大賞」として選ばれそうな作品です。『六とん2』は……ネタとして挿入しましたが、まあこれもまた「どの小説でも選ばれる可能性は0ではない」ことを象徴したつもりです。「その他の作品」のオッズを低めに設定しているのは、「本屋大賞」は全く読めない要素が多いからです。最近でも町田康『告白』、池上永一シャングリ・ラ』など、評価の高まっている作品があります

問題3:ミステリファン注目の叢書、東京創元社ミステリ・フロンティア」は今年の上半期(奥付6/30まで)で何冊発売される?
オッズ:
0冊=100:1
1〜2冊=40:1
3〜4冊=7:1
5〜6冊=4:1
7〜8冊=6:1
9〜10冊=20:1
11冊以上=50:1

次世代を担う新鋭たちのレーベル、東京創元社ミステリ・フロンティアは、意外な人選と「作家のブレイク率が高い」叢書として、マニアの間で評価の高いシリーズです。既に創元の国内部門を支えている存在にまでなりつつあります。そんなミステリ・フロンティアで、今年の上半期で何点発売されるかを予想するのがこの問題です。
ここで、それまでの刊行点数を、半年ごとにまとめてみます。
2003年下半期:2冊
2004年上半期:5冊
2004年下半期:3冊
2005年上半期:6冊
2005年下半期:4冊
2003年下半期は創刊間もなかったので少ないのですが、その後はコンスタントに出ています。最も多かった2005年上半期は、2点同時発売というケースが2回あったのが大きいようです。
現時点で公表されている「発売予定」は、石崎幸二『首鳴き鬼の島』、翔田寛『競馬狂ハリスの最後の不運』、岸田るり子 『出口のない部屋』、山之内正文『八月の熱い雨』の4点(山之内正文は個人的に期待したい作家です)。これが全て今年の上半期に出れば4冊は確定です。他にもバラエティに富んだ作家陣が用意されているらしいと聞きます。少なくとも、ミステリーズ!新人賞(創元推理短編賞)を受賞した作家の短篇集がこのレーベルから出る可能性もあります。さらに米澤穂信小路幸也などはシリーズ続編が出る予定が(作家側から)公表されています。果たして何冊が上梓されるのでしょうか。心配なのは、担当編集者が激務でダウンしてしまわないか、ということくらいです。「0冊」に倍率を設定しているのはそのためです。



募集要項:
3つの問題に100カノッサを振り分けて賭けてください(最初に書いた通り、全部でなくても構いません。ただし3つの掛け金合計が100カノッサを越えた応募は無効とします)。ご応募はメールまたはmixiのメッセージで受け付けます。この日記エントリーへの「コメント投稿」による応募は禁止します。
masamune_q@yahoo.co.jp
まで。以下のフォームをご利用ください(下のフォームを使わなくてもいいです)。

                                                • -

・ハンドルネーム:
・サイト名(あれば):
・アドレス:
・問題1:
      に   カノッサ
・問題2:
      に   カノッサ
・問題3:
      に   カノッサ
・コメントがあればどうぞ

                                                  • -

締め切りは1/19とします。結果の確定は6月末になりますので、それ以降に結果を公表します。この結果公表の時点でこの募集ページも公開します。優勝者のお名前は公表しますのでご了承ください。
優勝者への商品は未定ですが、何か「貰うと嬉しいもの」を考えておきます。


どうぞよろしくお願いします!