購入本の定価高額ベスト4

最初「ベスト3」で書こうとしたネタだったけれど、一位に割り込む本を思い出したので「ベスト4」として書く。つまり4位の本の話がしたいわけだ。高価な古本とか、大型の百科事典類を除いて、私の記憶にある高い買い物を挙げる。なお定価は本体価格。
1位:『幻影の蔵』(ISBN:4487797586) シンポ教授と山前氏による労作。江戸川乱歩の蔵を完全調査したデータベースに、蔵の中を探検する体験が味わえるCD-ROM付き。8000円。
2位:『世界ミステリ作家事典[ハードボイルド・警察小説・サスペンス篇]』(ISBN:4336045275) 今日買った本。7500円。
3位:『世界ミステリ作家事典[本格派篇]』(ISBN:4336040524) 今日買った本の前作。本格ミステリ作家の完全データベース。未訳作品がこれまた面白そうに書いてあるのよ。楽しいと同時にフラストレーションも溜まる不思議な(?)事典。7000円。
4位:『片岡敏郎スモカ広告全集』(マドラ出版) 3位とはわずか10円差の6990円。分かり易く言えば「戦前の糸井重里」てな感じの、天才コピーライター片岡敏郎による「スモカ」(喫煙者のための歯磨き粉)の新聞広告を集大成した本。これが面白いのなんの。ヤニで黒くなった歯も「スモカ」を使えば白くなりますよ、というだけのことを1,000通り以上の表現方法で書いている。そのセンスがもう抜群。今回この日記ネタのために引っ張り出してパラパラ見ていたら、やっぱり読みふけってしまった。
「なんとまアおきれいなお歯…と逢う人ごとにほめられて スモカ使うの わたしもういやッ!」
「その歯が千両だネと云へば あら十五銭だわョで ミス・スモカとなん」
「黒い黒いとけいべつするな すぐにスモカで白くなる!」
などなど。別冊付録として彼が「スモカ」以外に手がけた広告がいくつか紹介されているのだが、「森永ミルクキャラメル」とか「赤玉ポートワイン」(日本初のヌードポスターを作ったのもこの人。まあヌードといっても露出はさほどではないのだが→このポスターはこのページで見ることができる)、「オラガビール」など、これも傑作揃い。私の一番のお気に入りは「スモカ」じゃなくて「オラガビール」のやつで、こんなの↓
「オラガビール もう工場を出て 今や御宅の附近にあり」
いやあ、素晴らしい。
昭和15年に会社を退職して広告業を辞める時に、異例の「引退広告」も出した。昭和20年にこの世を去った。