新風舎文庫

創刊されてまだ間もない新風舎文庫は、著名な作家のデビュー作や初期作品などの復刊を積極的に行っていたり、「ちゅらさん」一挙文庫化など、なかなか面白いことをやっている文庫である。新風舎といえば少し前までは文芸社近代文芸社のような「持ち込み原稿を本にする版元」のイメージが強かったが、そこからの脱却を図っているのだろうか。
しかし新風舎文庫の中にも時折「ん? これは持ち込み原稿系かな?」というような作品があったりする。今日新風舎文庫の新刊を出していて、既刊棚にそんな雰囲気の文庫がいくつかあるのに気付いた。そんな中、異様なまでに「薄っぺらい本」が何冊かあって驚いた。

  • 『大阪のオカン誕生記』三村藍 58ページ
  • 『妻想う』角川光斎 47ページ
  • 『恩讐』沙羅双樹 47ページ
  • 『私は重力士』飛龍濱 43ページ

どれも短篇一篇分くらいの分量だが、これで本になっているのだ。しかも定価はどれも577円(税込)。コストパフォーマンスが非常に悪いのではないか。祥伝社の「400円文庫」もこれに較べれば可愛いものである。
内容は詩集だったり手記だったり闘病記だったりで、私の守備範囲ではないのでコメントは出来ない。もし読んだ方がおられたら感想を伺いたいところだ。それ以前に、果たしてこの定価設定で売れているのだろうか?