野沢尚

結構若かったことにも驚いた。しかし自殺という世の去り方は誰であってもやるせない気持ちになる。
破線のマリス』が乱歩賞を受賞した時に、結末が書かれていないことが議論になったことも懐かしい。
元々脚本家だったし、私にとってもドラマ脚本のイメージが強い。とりわけ「青い鳥」と「眠れる森」は野沢脚本であることを意識して観たドラマで、どちらも恐らく全編通して観た。「青い鳥」は、永作博美がひたすらいとおしくて、おいおいトヨエツ、ちったあ永作の方を向いてやれよ、と思ったのと、鈴木杏が成長した姿が山田麻衣子は違うだろう、と思った。今我々はまさに鈴木杏の成長した姿を見ているわけで、やっぱり違うよね。
「眠れる森」は毎回容疑者が激しく入れ替わるフラストレーションの溜まるドラマだった。最終回は愕然としてしまったものだ。あれだけ視聴者を引っ掻き回しておいて、結局お前なんかい! みたいな。いやしかし、どちらもドラマとしては完成度が高かったのだ。
再来年の大河ドラマ坂の上の雲」の脚本を担当する予定だったそうだが、実現しないまま。残念である。