「永遠の片想い」(2002年韓国作品 原題:Lover's Concerto〜恋愛小説)

就職活動をしながらタクシーのアルバイトをしているジファン(チャ・テヒョン)の元に、差出人のない手紙が届く。写真に「遭いたい」とだけ書き込まれた手紙を見てジファンは、写真と恋に夢中だった5年前を思い出していた……1996年、先輩の経営する喫茶店でアルバイトをしていたジファンは、ある日客としてやって来た女の子二人組、スイン(ソン・イェジン)とギョンヒ(イ・ウンジュ)のスインの方に一目惚れ。二人の後を追いかけて告白するが返事はそっけないものだった。今度は友達として付き合ってくれ、と言い残して去るジファン。やがて二人が再び喫茶店にやって来たことから3人の付き合いが始まり、それぞれに仄かな恋心が生まれる。二人の「プチ家出」にジファンが同行するなど、本当に仲の良い三人だったが、この頃からそれぞれに溝も広がり始めた――。
これは泣ける映画だった。今年の韓国映画では「ラブストーリー」と双璧をなす。ありがちでベタな恋愛映画だが、前半と後半で全く雰囲気が変わる展開、ミステリ的な意外性と巧妙に張られた伏線もあって、ラストは感動的だ。ラスト近くで、5年振りにジファンと再会する××(ネタバレにつき伏せる)の表情が実にいい。
猟奇的な彼女」で一躍有名になったチャ・テヒョンが次に選んだ映画がこれ。前作のような陽気さも引きずりながら、ラストでは泣かせにかかる。「ラブストーリー」の主演ソン・イェジンも相変わらず素晴らしい。が、この映画のMVPは間違いなくイ・ウンジュ。「ブラザーフッド」「バンジージャンプをする」の時はさほど感情移入できなかったが、この映画の彼女にはマジ惚れしてしまった。前半のブリッコ風なしぐさも、後半の憂いを帯びた表情も、どの瞬間も素晴らしい。この二人が揃うと、まあなんと可愛いことか。泣きたい恋愛映画を観たい方には是非お薦めしたい。
12月にはDVDも出るようだ。これも買おうと思う。