オールド・ボーイ(2004年韓国作品)

ある日突然何者かに拉致され、15年もの長期間にわたって監禁されたオ・デス(チェ・ミンシク)。自力で脱走を図ろうとした直前、今度は突然解放された。寿司屋で知り合った女の板前ミド(カン・ヘジョン)はオ・デスが書き綴った日記を読み驚愕。共に謎を追うことになったミドは徐々にオ・デスに惹かれていく。そして二人の前にちらつく監禁事件の犯人、イ・ウジン(ユ・ジテ)の影。何故監禁したのかと問うオ・デスに「今までの人生を復習しろ」と謎の言葉を残すウジン。そして、殺すか殺されるかの「死のゲーム」が始まった。その期限はわずか5日――。
突然意味もなく監禁される、という不条理なシーンから始まって、そのまま不気味な緊張感を維持したままラストまで突っ走る。全く気が抜けない映画だ。全編から溢れる何とも言えないパワーに圧倒。メインの謎「何故オ・デスは15年間監禁されたのか」だが、犯人ウジンの秘密が明らかにされたところで読めた。あ、こいつがこういうことだったんだから、ウジンはオ・デスをああさせたかったんだろうなあ、みたいな(ネタバレになるのでこのくらいの表現で勘弁)。でもネタが判ってても充分面白いはずだ。ラストになるとオ・デスよりもイ・ウジンに感情移入しているかも知れない。素直にお薦めしておきたい。
チェ・ミンシクも凄いが、ユ・ジテは新境地を開拓したのではないか。「アタック・ザ・ガス・ステーション!」「リメンバー・ミー」「リベラ・メ」「春の日は過ぎ行く」とこの「オールド・ボーイ」で5本彼の作品を観たことになるが、今までで最も存在感があったのでは。それとカン・ヘジョンも大胆なシーンも含め、場面によって多様な表情を見せて熱演。素はすごい可愛いみたいだから(来日レポート等を参照)、次作でイメージを変えるとファンが激増するのではないだろうか。