恩田陸『ユージニア』
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/02/03
- メディア: 単行本
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独特な装丁、不気味な雰囲気を漂わせるプロローグ、癖のあるフォント。これだけで作品世界に浸れるのだから凄い。ずっと「一体何があったのか?」という謎が継続したまま、読んでも読んでも話が進展しない。それどころか、物語世界の不気味さが増すばかりだ。その雰囲気に呑まれることこそが、この作品の目的ではないかと思えるほどだ。キーになる少女の存在感がこの小説を成立させているようだ。ラストも納得出来そうで出来ない感じで、放って置かれたような気もするし、ちゃんと落ちているような気もするし。ただ、非常に印象的な終わり方であることだけは間違いない。