小野不由美『悪霊になりたくない!』

悪霊になりたくない! (講談社X文庫―ティーンズハート)

悪霊になりたくない! (講談社X文庫―ティーンズハート)

麻衣が「渋谷サイキック・リサーチ」でバイトを始めて早1年。そこに新たな依頼が舞い込み、所長のナルこと渋谷一也ほか霊能者軍団は諏訪の超巨大洋館へ向かった。そこには同業者たちが集結し、ゴースト・ハントの調査が行われることになった。が、次々に人が消息不明になり、ついに麻衣の身にまで危険が……
小野不由美の初期人気シリーズ「悪霊シリーズ」の一冊。何故今ごろこれを……と思われるかも知れないが、綾辻行人暗黒館の殺人』はこれにインスパイアされた部分があるのではないかということで、去年の東京オフの際、百三さん(id:hyakuzou)に貸していただいたものである。増改築を重ねた洋館、隠し部屋、そして「浦戸」という名前など、確かにそれを思わせる部分がある。基本は霊能者対ゴーストの闘いなのでミステリではないものの、暗号(ぽいもの)が登場したりもするし、ストーリーもサスペンスに溢れていて面白い。これを読むと、『暗黒館』で「浦登」という名前をいただいた意味も判る(いや、あちらでも説明されていたかな?)。
しっかしこの本、アマゾンのマーケットプレイスだと高いなー。