朱川湊人『さよならの空』
- 作者: 朱川湊人
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/03/29
- メディア: 単行本
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「夕焼け」は、ノスタルジーを誘う現象だ。夕焼けが消える、というプロットをどう展開させていくか期待しながら読んだのだが、一部哀愁を漂わせるシーンもあるものの、いろんな要素が同時進行で絡んでいくため、一つ一つに感情移入し難く、全体的に中途半端な印象を受けた。「イエスタデー」のパートをもう少し他の部分に馴染ませて、動機部分を膨らませれば違和感が減ったと思うのだが。クライマックスの「あの現象」も唐突すぎるのでは。歯車の噛み合わせ方に失敗しているのではないだろうか。勿体無い作品だ。