島田荘司『摩天楼の怪人』
- 作者: 島田荘司
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/10
- メディア: 単行本
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御手洗潔がまだ石岡と出会う前の事件(36年も前の事件だ)。今日の休みをまるまるこの一冊に費やしたと言っていい。なんか悔しいけれど、これが面白い(なんで「悔しい」感情が湧くのかがよく分からない)。相変わらずリーダビリティは最高で、読み始めたら止まらない。そして今回も奇想の嵐。これらを現実のものにするため、解決編ではかなり強引に持って行かされている気がするし、「それはいくらなんでも……」と思うところも一つ二つではない(犯人像など)のだが、島田荘司の圧倒的な筆力に捻じ伏せられているのだ。よくもこれだけいろんなトリックを押し込んだものだ。挿入されているCGは図版の代わりにトリックの説明として使われているので、特に後半のCGは先に見ないように。御手洗シリーズならこんな大法螺でも許せる、というか、このくらいのハッタリをかましてくれないと満足できないね。