平山瑞穂「忘れないと誓ったぼくがいた」
- 作者: 平山瑞穂
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/02/20
- メディア: 単行本
- クリック: 26回
- この商品を含むブログ (112件) を見る
「泣ける」小説であることは間違いない。男性視点でも、女性視点でも、切なくて哀しい物語で、どっちに感情移入しても泣けるだろう。ありがちな「記憶が無くなっていく」だけではない、SF的な設定は確かに巧い。が、その後の展開に全く捻りがなくて、ほぼ予定通りに進行し終わってしまうのは残念に思った。変な展開ばかりを期待し予想してしまうミステリマニアにはやや厳しいか。逆に言えば、余計な要素を削ぎ落として小説として綺麗に纏められているということでもあり、その点ではよく出来た作品だと言える。もっと一般に売れてもいいと思うのだが。