さだまさし『本気で言いたいことがある』

本気で言いたいことがある (新潮新書)

本気で言いたいことがある (新潮新書)

家族、子育てについてから、心の問題、教育の問題などなど、現在の日本と日本人が失ってしまったものを次々に指摘。それらの解決のためにどうするべきかを提案し、また、さだまさし自身はどうして来たかを書き綴っています。
こんなに明快に書かれると、もう反論のしようがないですね。
これはまさしく「さだまさし版『国家の品格』」でしょう。『国家の品格』と併せて多くの人に読んでいただきたいですね。国民の意識改革のための、いいきっかけになるのではないかと思います。

『僕は当時の社会現象が置き去りにしかかっていた父母兄弟の心の繋がりについて、どうかこれを大切にしようという唄ばかり作り、歌ったのです。
精霊流し」「無縁坂」「秋桜」「案山子」……、みんなそうでした。』

のフレーズにはしびれました。そうだったのか……。
いくつかさだまさし本人の話も挿入されています。「一晩で6曲作った」という話は有名で、『噺歌集』にも載っていたと記憶していますが、あの「風に立つライオン」を30分で作った、というのは知らなかったです。これも有名な話なんですよね、きっと。夢の中で書いた曲が「夢」だった、ってのも鳥肌が立つような話です。
ちなみに「一晩で6曲作った」その6曲はグレープ時代の、

  • 縁切寺
  • 「無縁坂」
  • 「フレディもしくは三教街」
  • 「雲にらくがき」
  • 「19歳」
  • 「哀しきマリオネット」

です。
すごいですよねえ?? 全然タイプの違う曲ばかりなのに。「雲にらくがき」って結構好きなんですよね私。