紀田順一郎『戦後創成期ミステリ日記』

戦後創成期ミステリ日記

戦後創成期ミステリ日記

MYSCON7の時、葉山さんから「紀田順一郎が若い頃に書いていた評論を纏めた本が出た」という話を聞いて、ちょっと気になってはいたものの、タイトル等が全く分からなかったのですが、後に「新文化」で出版記念パーティーの記事が載ってて判明、取り寄せました。
慶応大推理小説同好会時代と、同人誌「密室」時代の若書き評論集なんですが、これがべらぼーに面白い! 絶賛したかと思えば叩きまくったり。現在のミステリ系論客のブログを本にしたら、こんな雰囲気になるんじゃないでしょうか。また読んでいる途中ですが、マニアの皆さんに読んでいただきたいので宣伝を兼ねて紹介しています。
ちょっと笑った一節を引用。

早川が出さないものは出さないことを特徴とするなら、創元というところは、出すといって出さないのが特色であります。(中略)出ないものだけで全集ができるほどであります。
(161ページ「創元へ一発」より)

昔も今も変わらないことを如実に表しておりまする。