霧舎巧『名探偵はどこにいる』

名探偵はどこにいる (ミステリー・リーグ)

名探偵はどこにいる (ミステリー・リーグ)

22年前、島で発生した高校教師の死は、殺人を計画していた双子の姉妹によるものだったのか……今寺は、中学の頃体験した「謎」を思い出していた。その時タイミングを計ったかのように「謎」の当事者だった三ッ池逸見から連絡を受けて再会したが、用件を告げないまま彼女とは別れてしまった。しかし、当の三ッ池逸見は、6日前の航空機墜落事故で死んでいたのだ……。
時代を跨がった事件の謎に挑む長編。今寺に課せられた最大の問題は「双子の無実を証明すること」だが、他にも様々な謎が絡むので、気を取られていると分からなくなるので注意(私も途切れ途切れによんでいたので、一瞬付いて行けなくなった)。最後は全ての謎がスッキリするので満足感はある。トリックの見せ方も巧いと思った。
冒頭の双子が双子であることを利用しての殺人を誓うシーンは、西村京太郎『殺しの双曲線』を思わせる。また、前作の「かの親子」も登場するが、今回はゲスト的ポジションでほとんど活躍しない。