伊坂幸太郎『陽気なギャングの日常と襲撃』
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 新書
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伊坂幸太郎にとってはっきりとした「続編」にあたる作品を書くのは、これが初めてだそうだ(その点に関して「あとがき」でびっくりしたことがあったのだが、それはまた別の話だ)。あの4人組が帰ってきただけでも楽しいのに、またもこんなに読者を楽しませてくれるとは。前作が映画になったので、4人のキャラはそれぞれ映画のキャラでどうしても読まれてしまうし、そうでなくてもシリーズ物だから多少手を抜いたってファンは喜んでくれるものだと思うのだが、手を抜くどころか、さらに複雑なプロットを見事に融合させている。最初の4人それぞれの事件は元々別の短編として書かれたもので、それを長編の第一章として組み込むなどという芸当が出来てしまうところが凄すぎる。しかもこの4つの事件が後半に絶妙に絡むのだ。我々は伊坂の巧さをまたしても確認してしまったのだ。また続きを書いてくれないだろうか。