高山文彦『麻原彰晃の誕生』
- 作者: 高山文彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/02/20
- メディア: 新書
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本として纏まったのは昨年(2006年)だが、実際に執筆・連載されたのはほとんどが1996年の「現代」である。まだ事件の記憶が新しい頃に書かれただけあって、生々しく、今となると懐かしい記述も多い。
教団がいかに大きくなって行ったか、よりも、麻原個人の足跡を辿ることに重点が置かれていて、かつての報道当時にはあまり知らされなかった発見もある。盲学校時代に児童会長選挙に立候補しながら落選したとき、「ぼくには人徳がなか」と言ったという。ここが全ての出発点だったのか、と思えるようなシーンである。「彰晃」の名付け、「真理教」の命名の経緯などもこの本で初めて知った事実である。