鈴木邦男・佐藤由樹『天皇家の掟』
- 作者: 鈴木邦男,佐藤由樹
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2005/08
- メディア: 新書
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印象的な文章をひとつ挙げてみる。185ページ、鈴木邦男パートだ。
何度も言うように、旧『皇室典範』は外国の眼を意識した「背伸び」だった。西欧列強に追いつき、追い越す。富国強兵で強い国になる。戦争もやらなくてはいけない。そんな「男らしい」国にする。そう思っていたから、男子天皇が必要だった。また、遅れた国と侮られてはならない。天皇が好き勝手にやる国ではない。立憲君主国として、西欧と同じ国になるんだ。そういう意気込みがあったのだ。「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」というのは現憲法の前文にある言葉だが、このいじらしいまでの決意は、むしろ明治の旧『皇室典範』を作った時にこそ言える。