米澤穂信『インシテミル』
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/08/30
- メディア: 単行本
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ロジックも上手く考えられているし、ファンがいちいち反応しそうな小道具が次々に登場するので、最後まで飽きさせない。楽しい作品であることは間違いない。ただし、ファンにとっては、という前提付きだが。
あと、別に「教養貴族」ぶるわけではないが、例えば『緑のカプセルの謎』とか『第三の銃弾』とかE・C・ベントリーとか言われて、「ああ、あの作品ねー。面白かったよねー」と反応できる人が、本書を読みそうな世代の読者のうちどのくらいいるのだろうか。ベントリーなんて私も『トレント最後の事件』しか読んでいないのに。こういう「くすぐり」が入るのは実に楽しいのだが。