蒼井上鷹『俺が俺に殺されて』

俺が俺に殺されて (ノン・ノベル)

俺が俺に殺されて (ノン・ノベル)

英次はマスター別所に殺された。が、その魂だけ、殺した男・別所に乗り移ってしまう。ところが今度は英次の兄・優一が殺され、その容疑者として別所が疑われる。別所にはその時間、「英次に会い、英次を殺していた」というアリバイがあった。どっちに転んでも窮地に追い込まれる別所=英次……。何かもう一つ切れ味が足りない気がするのだが、設定はユニークだし、真相には非常に感心した。これだけ込み入っておきながら、シンプルかつ巧妙な落としどころにまとめ上げている。