芥川賞・直木賞発表

芥川賞川上未映子『乳(ちち)と卵(らん)』(文藝春秋2月発売予定)
直木賞桜庭一樹『私の男』文藝春秋

私の男

私の男

おめでとうございます。
桜庭さんの受賞は、当然大本命ではありましたが、実は受賞までずっと不安でした。
作品の主要テーマが、果たして選考委員に受け入れられるか、心配だったのです。
作家としての「力」が、受賞に結びついたのではないかと思います。
以下、北方謙三氏の講評より。

 桜庭作品は人間は書けていないし、リアリティーもない、細かいところの整合性もおかしなところが多々あって、反道徳的、反社会的な部分も問題になったが、非常に濃密な人間の存在感があって、ほかの2作品に比べるとわずかながら上をいくことになり、あえてこれを受賞作として世に問うてみよう−という結果になった。
 9人中、桜庭作品だけが過半数に達した。こんな作品を世の中に出していいのかという論議もあったが、それも覚悟してあえて受賞作とした。選考委員のほとんどが桜庭作品に作家的な資質を感じてしまった。こういう世界も書ける作家的才能の豊かさというか、これまでの文学になかったもの、選考委員会が知らなかったものを持っている。次に何がでてくるか分からない作家の、とても不思議な作品だった。われわれは大きなばくちを打ったのかもしれないが。


あと、記者との一問一答で受けたのがこれ。

−−差し支えなければ、身長を教えてください
 「なぜ?」
 《場内笑い》

この質問した人は誰ですかww