石持浅海『温かな手』

温かな手

温かな手

人間から余分なエネルギーを吸い取って生活する謎の知的生命体「ギンちゃん」と「ムーちゃん」。二人は人間に擬態して別々に暮らしているが、事件が起こると「人間離れ」した推理力を発揮するのだ。
それぞれの短編はいつもの石持作品の切れ味を維持しているが、エピローグにあたる最終話がとてもいい話で、これで評価がさらにジャンプアップする。タイトルが持つ意味を理解した瞬間、読者の気持ちも温かくなる。お薦めしたい。