2008-03-26 清水義範『早わかり世界の文学』 新書 読了 早わかり世界の文学―パスティーシュ読書術 (ちくま新書)作者: 清水義範出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/03メディア: 新書購入: 2人 クリック: 16回この商品を含むブログ (27件) を見る清水義範による大学や高校での講演録を中心に、書き下ろしの「補講」などをまとめた本。特に前半の講演録の趣旨、世界の文学は過去の作品のパロディで繋がっている、という話が非常に面白い。突き詰めれば、ホメーロス『オデュッセイア』まで遡れるらしい。『ドン・キホーテ』の続編をめぐって「偽者」と「本物」の間でメタフィクションのような展開になったとか、『ガリヴァー旅行記』は『ロビンソン・クルーソー』のパロディとして書かれた、などの話が興味深い。 また、著者が、日本で唯一(らしい)パスティーシュ作家になった過程も披露されている。 後半は、子供たちに作文を指導した時のエピソードや、著者が決める「世界十大小説」の紹介など。 とにかく、本は読むべし。読めば自然と書けるようになる、というのが結論だろうか。