石持浅海『耳をふさいで夜を走る』

耳をふさいで夜を走る

耳をふさいで夜を走る

傑作だ。シリアルキラー物だが、こんな設定でも石持テイストに溢れたストーリーに唸った。主人公は、元々「異様な動機」で三人の女性殺害を計画しながら、計画に狂いが生じるが、それを必死に乗り越えて計画を遂行しようとする。そこで思考に思考を重ねていく過程が素晴らしい。ラストにも大いに驚かされた。