福岡伸一『生物と無生物のあいだ』

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

これは素晴らしい新書だった。
一見無関係な話題から、専門的な話には極力しないながらも、いつの間にか生物について理解できている不思議な本。
特に前半、DNA研究史が実に面白い。
文章も絶妙だ。最初の野口英世の話から一気に世界に引きずり込む。


私にとっての科学読物(あるいは科学TV番組)の原点、カール・セーガンの「コスモス」を思い出した。
「コスモス」も難しい数式を使わず、一見宇宙とは関係ない話題から、宇宙の話に持っていく独特の語り口が素晴らしかったのだ。