ニール・ドグラース・タイソン『かくして冥王星は降格された』
かくして冥王星は降格された―太陽系第9番惑星をめぐる大論争のすべて
- 作者: ニール・ドグラースタイソン,Neil deGrasse Tyson,吉田三知世
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/08
- メディア: 単行本
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結局のところ、
「冥王星は、ひとりのアメリカ人がアメリカのために発見した、実に由緒あるアメリカの惑星である」
(152ページ、宇宙科学者ケヴィン・ザンレの発言)
という思いが支配的だったのだろう。
冥王星を準惑星とした決定は妥当だと私も思うが、一つだけ興味深い事実がある。海王星との「共鳴振動」だ。海王星が太陽の周りを3周する期間と、冥王星が2周する期間が、まったく同じだというのだ。あんなに小さくて軌道もいびつな星が、海王星の動きと共鳴している、というのは、「準惑星」にしておくには勿体無い性質である。