貫井徳郎『後悔と真実の色』

後悔と真実の色

後悔と真実の色

若い女性が次々と無残に殺される事件で、指が一本持ち去られることから、ネット上で「指蒐集家」と呼ばれることになる犯人を追う話。
鋭い勘を持つが一匹狼的な捜査をするため「名探偵」と揶揄される西條が中心となるが、他の刑事とのぶつかり合いもあり、徐々に思わぬ方向へ進んでいく。警察捜査のディテールも丁寧に書き込まれている。
「指蒐集家」の視点の章が何度も登場するのに、それが誰かが最後まで分からない(途中からは誰もが怪しく見える)。意外性も充分。警察小説としても読ませるが、実は本格ミステリの傑作だった、という感じ。