佐々木俊尚『電子書籍の衝撃』

電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)

電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)

キンドルiPadなどのデバイス輸入直前にこういう本が出ることの意義は大きい。類似本よりも具体的で、かつ紙の本に「悲観的」な内容ではないところがいい。
電子書籍の可能性と、音楽業界の衰退にも触れながら、出版業界の問題と今後の可能性を総括している。


本書は発売前に110円でダウンロードできる「電子書籍」も販売された。私は実はその電子版で先に読んだ。
どちらも読み応えはあったが、電子版は購入までのハードルが異常に高く、挫折する人が多いのではないかと感じた。また、付箋・しおりの機能がないので(これはディスカヴァーのデジタル書籍リーダーに問題がある)、読み返すことが不便だった。紙の本だと付箋も貼れるし(実際、付箋でびっしりになった)、気になった箇所は読み返すこともできた。それに、ちょっと変な表現だが、「本を読んだ」充実感は、やはり紙の本の方が強い。