2012年12月に読んだ本(via 読書メーター)

※さきほど「昨年読んだ本」を投稿しましたが、長すぎてカットされてしまったようですので、月間に変更して再投稿します。
2012年12月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:4348ページ
ナイス数:96ナイス

ブラウン神父の無心 (ちくま文庫)ブラウン神父の無心 (ちくま文庫)感想
ブラウン神父の新訳版がちくま文庫から刊行。元々かなり癖のある文体と宗教絡みのネタが多いため読み難く、それでもミステリ部分の凄さを味わいたくて必死に読んだものだが、新訳で多少は読み易くなっている(元々の文章の硬さが残っているが)。そしてやはり本書の逆説トリックはいつ読んでも素晴らしい。後世のミステリに与えた影響力は計り知れない。凡作がひとつもない至高の短編集だろう。続巻の新訳が待ち遠しい。
読了日:12月30日 著者:G.K. チェスタトン
真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生 (ポプラ文庫 日本文学)真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生 (ポプラ文庫 日本文学)感想
ドラマ化も決まってますます絶好調の第三弾。キャラクター小説としてどんどんスキルアップしているが、そんな中にも重いテーマを織り込んでくるところが却って好感持てる。まだまだ続いていくようなので、今後の展開にも期待。
読了日:12月28日 著者:大沼紀子
たくらむ技術 (新潮新書)たくらむ技術 (新潮新書)感想
アメトーーク」「ロンドンハーツ」プロデューサーが番組制作の技術を明かした本。ただだらだらトークしてるだけに見える番組がいかに計算し尽されているか、ものすごくくだらないことにいかに手間ひまとお金を掛けているか。「当たっている時こそ次を見つけなければならない」など、実生活に参考になるようなエピソードもある。
読了日:12月28日 著者:加地 倫三
おすすめ文庫王国2013 (本の雑誌増刊)おすすめ文庫王国2013 (本の雑誌増刊)感想
文庫レーベルをJリーグに見立てた「文庫Bリーグを作ろう」が今年の秀逸企画(降格とか昇格があるのだ!)。チーム名も含めてレベルの高いパロディになっている。巻末恒例の池袋ジュンク堂と御茶の水丸善の文庫年間ランキングが毎年楽しみだが、今年は例年以上に傾向が異なっている気がする。あと何気に驚いたのが「表紙イラスト 長谷川仁美」だったり。
読了日:12月22日 著者:
わたしのブックストアわたしのブックストア感想
ユニークな本のセレクトショップや古本屋を紹介した本。こういう店があることが嬉しいし、できれば自分もこんな店をやってみたい、と思う。
読了日:12月21日 著者:北條一浩
江神二郎の洞察 (創元クライム・クラブ)江神二郎の洞察 (創元クライム・クラブ)感想
江神シリーズ(学生アリスシリーズ)初の短編集。事実上のデビュー作「やけた線路の上の死体」も収録されている。学生たちの一見雑多に見える会話からロジックが展開されたりするのが面白く、こういう学生生活は楽しいだろうなと思えてくる(事件が続くのはお断りだが)。昭和最後の年という時代設定で、「昭和の次の年号のイニシャルは何か」の推理など興味深い。ケメルマンのオマージュ「四分間では短すぎる」が個人的には大好きだ。
読了日:12月15日 著者:有栖川 有栖
クイック・ジャパン 103クイック・ジャパン 103感想
HKT48にとって指原のポジションの重要性、彼女の存在意義が確定したところで、改めて騒動当時のことを確認したいと思って買って読んだ。指原は思った以上に強い子だと理解できた。そしてHKT48全体のことを常に考えている。もはやきっかけなどはどうでもいい、指原のHKT移籍は大正解だったのだ。スキャンダルを利用して新しい風を呼び込んだという点において、秋元康氏のあの判断は、まさに「満塁逆転サヨナラホームラン」だったと思う。
読了日:12月13日 著者:指原莉乃,前山田健一,感傷ベクトル,シシド・カフカ,ももいろクローバーZ,若林正恭,山里亮太,後藤まりこ,森山未來,山下敦弘,蓮佛美沙子,Revo,トータルテンボス,日南響子,joy,amazarashi
『ザ・ベストテン』の作り方『ザ・ベストテン』の作り方感想
あの「ザ・ベストテン」の歌セットを担当した三原氏へのインタビューを中心に、当時のスケッチや実際のセットが満載。サブタイトルにある「音楽を絵にする」ことの凄さ。「ザ・ベストテン」が、歌、セット、情報全てを併せ持った総合情報番組だったことがよく分かる。美術ディレクターの先輩としての妹尾河童氏の影響力(「夜のヒットスタジオ」「ミュージックフェア」)も分かる。
読了日:12月13日 著者:三原 康博
前田敦子はキリストを超えた: 〈宗教〉としてのAKB48 (ちくま新書)前田敦子はキリストを超えた: 〈宗教〉としてのAKB48 (ちくま新書)感想
内村鑑三の『余はいかにして基督教徒となりしか』の、濱野氏によるAKB版。それはいくらなんでもオーバーやろ、と思うところもあるが、考察としては非常に面白い。とにかくAKBはファンになれば誰もが「語りたくて仕方がない」ものなのである。
読了日:12月10日 著者:濱野 智史
2013本格ミステリ・ベスト102013本格ミステリ・ベスト10感想
こちらも毎年恒例だが、「このミス」とも「週刊文春ベスト」とも明らかに異なる個性的なランキングで、個人的にもこっちの方が馴染む。ベスト5までは全部読んでた。6位は買ったまま積読だったのでこれから読みたい。
読了日:12月10日 著者:探偵小説研究会
このミステリーがすごい! 2013年版このミステリーがすごい! 2013年版感想
毎年の恒例行事として購入。今年は横山・宮部の二大勢力に対し、SFから「第三極」の伏兵が大健闘する、という構図が「このミス」「週刊文春」ともに見られたように思える。ローレンス・ブロック伊坂幸太郎さん、田口俊樹さんの鼎談が豪華すぎで、伊坂ファンはこれだけでも買う価値がある。あと個人的には『泡坂妻夫引退公演』がギリギリベスト20入りしたことが嬉しかった。
読了日:12月10日 著者:
残り全部バケーション残り全部バケーション感想
とても馬鹿馬鹿しいことを大真面目にやる伊坂作品のキャラクターが大好きなので、「タキオン作戦」などめちゃくちゃ楽しんで読んだ。今回も伏線の回収や洒脱な会話などいつもの伊坂世界だが、伊坂さんならもっと面白くできそうなのになあ、とハードルを上げて読んでしまう自分もいて、なんか惜しいと思った。
読了日:12月8日 著者:伊坂 幸太郎
虹とノストラダムス虹とノストラダムス感想
私もノストラダムスの大予言に大いに嵌り、影響を受けてた世代なので、あの頃友達と話していたことなどを思い出しながら読んた。私たちくらいか少し上の世代はみんな大なり小なり影響を受けて、それがその後の人生に何らかの変化を与えているのかも知れない。あの頃を懐かしんで終わるかと思ったところに来る「最後の一撃」はさすがにリアル過ぎて重みがある。複雑な余韻が残る小説だ。
読了日:12月8日 著者:太田 忠司
百年法 下百年法 下感想
不老不死が実現したが、百年後には必ず死ななければならない、というワンアイデアだけの近未来SFかと思っていたが、生存制限法の施行を巡る政官の攻防戦や、伝説化するテロリスト、特例を使って独裁政権を実現させる大統領など、様々なネタが織り込まれ、後半では生きることと死ぬこと、世代交代の意義などが描かれ、よりテーマが深くなる。全般的にエンタメとしてよく出来ている。ただし、読んでて感情移入できる登場人物がいなくて、個人的には消化不良だった。
読了日:12月3日 著者:山田 宗樹
百年法 上百年法 上感想
感想は下巻に。
読了日:12月3日 著者:山田 宗樹

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