伯方雪日『誰もわたしを倒せない』
- 作者: 伯方雪日
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2004/05/10
- メディア: 単行本
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「覆面」:後楽園で殺されていた、襟足から後頭部まで髪が切られていた男。そして孤児院からスカウトされ、プロレス修行に励んだ男の物語。マスクマンというアイテムを巧く利用したトリックと、殺人を犯した瞬間にプロレス的な観念が支配するところが面白い。
「偽りの最強」:プロレスにおいて「強い」とは、「世界最強」とは何かを問いながら、それをミステリのプロットに嵌め込むことに成功している。
「ロープ」:意外性が全て。騙されてしまった。この位置にあるのもそのためだが、殺人トリックなどはちょっと無理があるか。
「誰もわたしを倒せない」:世界最強の男・ダレンが控え室で「チョークスリーパー」で殺されていた。「世界最強の男」をプロレス技で殺せる人間はこの世にいないはずなのに……。これもプロレスの概念が重要になる。東京ドームを利用したトリックが楽しめる。
「エピローグ」:うわーそういう落ちか!