「英語完全征服」（2003年韓国作品）

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ソウルで地方公務員として働くヨンジュ（イ・ナヨン）は英語が誰も喋れない職場を代表して「くじ引き」で英会話学校へ行かされることになった。全く喋れないため超基礎クラスに割り振られた彼女はそこで同じ生徒のムンス（チャン・ヒョク）に一目惚れしてしまうが、彼には「平凡」と一蹴される。デパートの靴売場で働くムンスは、きれいな女性を見るとすぐに声を掛けるお調子者。英会話学校でも生徒を値踏みしていたが、一番きれいだったのが先生だったのですっかりメロメロ。彼が英語を学ぶのには、ある「事情」があるようだが……。
英会話学校を舞台にしたドタバタ恋愛コメディ。うわーつまんねーなー、とずっと引きまくっていたのだが、後半からややシリアス部分が混じるようになり、俄然面白くなる。ややご都合主義で少女漫画的展開なのだが、最後は気分が晴れやかになって、良かった良かった。
韓国のコメディ映画によく見られる傾向なのだが、この映画でもアニメ風な手法、妙なＣＧ、漫画を読んでいるような「吹き出し」などが前半で多用されている。そしてそれらの全てが、もう全く面白くない。韓国じゃ、ああいうので観客が爆笑するのだろうけれど、演出が過剰すぎて逆に引いてしまい、笑えないのだ。本来なら日本に来ないようなタイプの映画だと思う。「火山高」「僕の彼女を紹介します」のチャン・ヒョクと、ドラマ「愛の群像」に出ていたイ・ナヨンというコンビがどちらも知名度があったから買ったのだろうな。でもその前半の寒さを我慢すれば、ハートウォーミングな恋愛映画として評価できる。ウルッとなるシーンもあるし。イ・ナヨンは「平凡だがキュートな女の子」としていい演技をしている。というか、普通に付き合えますよ私なら。
ところで劇中、英会話教室のメンバーたちが打ち上げ（反省会）をする店のBGMと、チャン・ヒョクと英語の先生がタップダンスを踊るシーンの２回、パク・チニョンの歌（「swing baby」）が流れたので驚いた。