レオ・ペルッツ『最後の審判の巨匠』

最後の審判の巨匠 (晶文社ミステリ)

最後の審判の巨匠 (晶文社ミステリ)

1909年のウイーンでその怪異な事件は起こった。宮廷俳優のビショーフの邸宅にて室内楽の演奏に興じていた我々だったが、ビショーフが原因不明の連続殺人の話をし始めたので場の空気が変わってしまう。では余興に、稽古代わりに新作の役を披露する、と四阿へ引っ込んだビショーフだったが、そこに銃声が二発。みんなが向かうと死に際で当惑の表情を浮かべ、「最後の審判」と謎の言葉を残してついに絶命した……。
伝説の作家の伝説の作品。ミステリなのかホラーなのか妖奇小説なのか。最後まで読んでも、文字通り「ポカーン」状態。訳者あとがき(ペルッツ問答)を読んでようやく意図が理解できた。「アンチクリストの誕生」もそうだったが、読者に高いレベルを求めているようで、私のように無知な読者は「どうもすみませんでした」と謝るしかない。