「マイ・ブラザー」(2005年韓国作品 原題:僕の兄貴)

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カメラが好きな男は優しい女と結婚し、やがて男の子が産まれたが、口に障害があったため父親は歓迎しなかった。続けて次男が産まれた時には父親は母の元を去っており、後に亡くなった……勉強の出来る兄・ソンヒョン(シン・ハギュン)と喧嘩っ早い弟・ジョンヒョン(ウォンビン)の二人は高校生になった。母(キム・ヘスク)はソンヒョンの手術代を稼ぐために働き、兄に熱い愛情を注ぐため、ジョンヒョンには面白くない。やがて二人は女子高の文芸部にいるミリョン(イ・ボヨン)に同時に想いを寄せることになるが……。
兄弟の真の友情、そして家族の愛。テーマとしてはベタだが、いかにも韓国人が喜びそうな(いや、泣きそうな、と言うべきか)題材だ。だが全体的に、兄、弟、母のどこに主眼が置かれているのかが読み取り難く、アンバランスな感じを受けた。また、ここぞというシーンで「ほら、ここが泣き所ですよ」とばかりにそれっぽい音楽が流れるのもどうかと思った。可愛い女の子のミリョンも前半しか登場しないのも残念だったり。ストーリーもベタなまま進むが、クライマックスで突如ミステリ的な意外性で「悲劇」が起こった瞬間は「おっ」と驚いた。その後はひたすらお涙頂戴シーンばかりだが、そんなん、ほとんどお前のせいじゃないかよ、とウォンビンを説教してやりたかった。
ウォンビンが主役のようだが、彼はいつも通りな感じ。むしろシン・ハギュンを評価したい。芸の幅が広いなあ。それとお母さん役のキム・ヘスクも素晴らしかった。「冬のソナタ」でユジンのお母さん役で有名なようだが。あと、ウォンビンもシン・ハギュンも、高校生役はちと無理があったなあ……。