蓮見圭一『心の壁、愛の歌』
- 作者: 蓮見圭一
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/06/30
- メディア: 単行本
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特に深い余韻を残すのは戦争について語られる「夜光虫」「テレーゼ」。「夜光虫」なんて、老人の戦争体験を聴いているだけの話なのに、情景が浮かぶともう忘れられない。「ハッピー・クリスマス、ヨーコ」はラストが印象的でいとおしくなる恋愛小説だった。「結構な人生」はあの詩に泣かされる。「心の壁、愛の歌」も「アーノンクールのネクタイ」も味わい深い恋愛小説であった。