藤谷治『いなかのせんきょ』

いなかのせんきょ

いなかのせんきょ

戸蔭村は「平成の大合併」に失敗し、巨額な赤字を抱えたまま前村長が引退。助役の勧めを受ける形で村会議員の深沢清春が立候補を決意した。ところが、蓋を開けて見ると自分に立候補を勧めた助役も立候補するというではないか。しかも相手には村を代表する長老たちが推薦人に名を連ねている。選挙については素人同然の清春による、大騒ぎの日々が始まった。
講談調の文体は心地良くて読みやすい。のはいいものの、何故「講談調」なのかが最後まで分からないままだった。しかも物語はさほど波乱万丈でもない、普通の村の選挙話。展開がほぼ読めちゃうのも困ってしまった。「あらすじ」を読む限りでは凄く面白そうだったのだが。要約すると面白い話になる、ということか。
(遅くなりましたが、この感想はゲラを読んでのものです)