永嶋恵美『一週間のしごと』

一週間のしごと (ミステリ・フロンティア)

一週間のしごと (ミステリ・フロンティア)

渋谷で「お母さん」に見捨てられた子供を「拾ってきた」女子高生。勝手に「タロウ」と名付けて家に帰そうとするのだが、TVで報道されていた、当の「お母さん」たちの集団自殺のニュースに驚く。事件は徐々に思いも寄らぬ方向に進んでいって……。
進学校に通う高校生たちの一週間の冒険。青春ミステリなのだが、後半は重くなっていくので、軽い気持ちで読んでいると痛い目に遭う。ただ、その後半の展開も予想の範囲内だったりしたので、意外性には欠ける気がした(もっとも、あの人まで事件に絡んでいたことは意外だった)。リーダビリティーは抜群に高いので、一気に読めることは間違いない。初めて読んだ作家だったが、今後に可能性を感じる作風だと思った。
(遅くなりましたが、この感想はゲラを読んでのものです)