「アメノナカノ青空」(2003年韓国作品 原題「…ing」)

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ミナ(イム・スジョン)は先天的な難病のため、産まれてからのほとんどを病院で過ごしてきた。さらに左手には大きな障害があるので手袋をしている。高校生になったので、母ミスク(イ・ミスク)はやや無理をしてでも退院させ、ミナを学校に通わせ、生活も家でさせることにした。だが学校では友達も出来ず、孤独な日々のミナ。そんな時、ミナたちのマンションの下の階に、若い自称カメラマンのヨンジェ(キム・レウォン)が引っ越してきた。何かとミナにちょっかいを出すヨンジェの態度を最初のうちは嫌うミナだったが、徐々に心を開いていく。しかし、ミナの命は限られていた――。
これまた実に解りやすい「お涙頂戴」の恋愛映画。最初の時点でラストまでほぼ予想できる。実はヨンジェはミスクの経営する店(レストラン)でバイトする芸術学科の学生で、余命いくばくもないミナに「幸せな思い出を作ってあげる」ため、ミナと親しくなるようにミスクから依頼されているのだ。このプロットは映画の後半で明らかになるが、最初から伏線があからさまなので、そういうことなんだろうなと割り切って観ることになる。「仕組まれた恋」なのに、そのうちヨンジェには本当に恋愛感情が生まれていくのだ。若い男女の限られた恋がメインのように見えるが、それ以上に母子愛の形が最後にクローズアップされていく。深い余韻が残るいい映画だ。ただ、「挿入歌」が割り込みすぎるのが気になった。韓国映画にはありがちだが、演技に純粋に感情移入したかった。
イム・スジョンは最初のうちこそ平凡な子に見えるが、どんどん可愛くなっていく。特にショートカット萌えな方には堪らないだろう。写真に残る彼女の笑顔は素晴らしい、泣けてくる。キム・レウォンはコメディ系俳優なんだね。真面目な一面もきちんと出せる。イ・ミスクは貫禄勝ち。