桜庭一樹『荒野の恋 第二部 bump of love』

荒野の恋 第二部 bump of love (ファミ通文庫)

荒野の恋 第二部 bump of love (ファミ通文庫)

山野内荒野、13歳。人気恋愛小説家のパパの再婚相手の連れ子、悠也に対して「恋のしっぽ」をつかんだ荒野だったが、当の悠也はアメリカに留学中。いつもと変わらない日々を過ごしているようだが、周りもそして自分も、徐々に大人への階段を昇っているのだ。初・喫茶店、初・マニキュア、初・えっちビデオ鑑賞、そして……。
第一部に続いて、少女の恋の成長物語として、王道中の王道を行っている展開だ。相変わらず荒野はピュア過ぎてくすぐったいのだが、荒野の成長を優しく静かに見つめている読者としての私がいるのも事実。第三部で幸せになってくれれば、父親として幸せです(って父親じゃねーだろ俺)。帯のキャッチフレーズにもなっているが、一章のサブタイトル「恋は女をこどもに、男を地下組織にする」が秀逸すぎ。甘酸っぱいラストシーンもいいね。