西原理恵子『はれた日は学校をやすんで』

はれた日は学校をやすんで (双葉文庫)

はれた日は学校をやすんで (双葉文庫)

ヘタウマ漫画&挿絵とブチ切れキャラでお馴染みの西原理恵子は、こんなに繊細で感動的な漫画も書く人なのである。女の子視点の「はれた日は学校をやすんで」と、男の子視点の「はにゅうの夢」を中心とした作品集で、まあいつものキャラ風な漫画も一部あるのだが、やはりこの2作品は素晴らしい。

明日こそ
明日こそ 学校を休もう。
そいで もっと 勇気がでたら
天気を たしかめてみたい。
きせつを みてみたい。

わたしどんどんうそつきになる
まえは こうじゃなかった
まえは こうじゃなかった
まえは 私 うそつきじゃなかった
中学生になって 高校生になって 大人になって
もっといけない事が ふえて 私はもっと うそつきになるんだろうか。

私は
うそつきじゃない 私が好き。

文章だけではこの感動が伝わらないのがもどかしい。西原の柔らかいタッチの漫画で読んでいただきたい。
「はにゅうの夢」では最終話「ジョン」が一番泣ける。飼い犬が死ぬだけの話で、ペットの死をネタにするのは泣きの王道みたいでずるいのだが、やっぱり泣けるのだ。
最後のコマの締め方が素晴らしい。ネタバレを承知であえて引用する。

ぼくは
ほっとして
泣いた。