綾辻行人『びっくり館の殺人』
- 作者: 綾辻行人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/03/17
- メディア: 単行本
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ミステリーランドでありながら、「館」シリーズの新作として書かれた作品。物語の随所に綾辻らしさが感じられる小説だが、アンフェアギリギリの路線もまた、今までの綾辻らしさと同じであった。真相を知らされた時の衝撃も、今までのシリーズに較べるとちょっと薄い。ちょい役で登場する「あの人物」もほとんど何もしないし。どちらかと言えば、デビュー当時からお世話になった宇山氏への、綾辻なりの「返礼」を形にした小説という側面があるように思われる。宇山氏ゆかりのあの作品(綾辻作品ではない有名作品)の話が挿入されるからだ。ホラーテイストなイラストとのマッチングは良かったと思う。