加藤実秋『インディゴの夜 チョコレートビースト』

インディゴの夜 チョコレートビースト (ミステリ・フロンティア)

インディゴの夜 チョコレートビースト (ミステリ・フロンティア)

ホストたちが事件解決のため夜の渋谷を駆け回る連作集の第二弾。元々「ホスト版IWGP」の雰囲気を感じさせる上に、シリーズ化させるとキャラに頼ってしまいがちで、御多分に漏れず本作も少しだけそんな部分が感じられたが、プロットの方がより上回っている作品もあった。特に最初の「辺報者」、人気ホストが次々に薬品をかけられ、「club indigo」の新人ホストが疑われる事件。真相そのものは割と単純なのだが、ハッとさせられる部分があって非常に感心した。これと、中国人マフィアの強盗団の正体を刺青の手掛かりだけから追う話「チョコレートビースト」はミステリ的にも評価ポイントが高い。反対にラストの「真夜中のダーリン」はキャラだけのものになってしまったか。全体的に非常に楽しませてくれる好シリーズなので、続く限り追いかけていきたい。
最近はホスト人気もあるので、今なら連ドラにしやすいと思うのだがどうか。ジャニ系俳優と、お笑いタレントのイケメン系(「club indigo」の脇ホスト役に)、そして本物(城咲仁に「空也」をやらせるとか)を混ぜてキャスティングすればすぐに出来そう。主人公が中谷美紀深津絵里とか。