伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

(再読)
何を今さら、と思われそうだが、新作『陽気なギャングの日常と襲撃』が出たので、前作も読み返してみようか、と読んだ。新書版が行方不明になっていたので、文庫版を改めて買ったのだ。
久し振りの再読だったので、特に後半のストーリー展開に忘れている部分が多く、意外に楽しめた。銀行襲撃と、逃げる途中で現金輸送車強盗に現金を奪われるまでは言わば「掴み」で、そこからのプロットの転がり方と、伏線の巧みさが本作の本領だろうと思う。洒脱な会話も含め、やっぱり伊坂は面白いよね、と実感した。
まだ映画版は観ていないが、既に映画の俳優陣に置き換えて読んでしまうのは、もう仕方のないことか。