「探偵神津恭介の殺人推理 こだま号遠隔マジック」

ええええええええええええ??
なんなんだ、このB級っぷりは。神津恭介のロマンスのぐだぐだっぷりは。前半の伊豆の旅館のあまりにも露骨なタイアップぶりは。
いや、そこまではまだ許せる。問題なのは、この原作が高木彬光『人形はなぜ殺される』とされていることだ。原作に忠実なのは「マジック大会の会場での殺人」くらいじゃないだろうか。原作のどこの部分がきちんと映像化されているのか、俄然原作を読み返したくなった。
島田荘司パクッたリスペクトしたことで有名な「列車を使った人形殺人」トリックを「こだま号」で一体どうやるのか楽しみにしていたのに、かのトリックの欠片すら出てこない。その代わりに……そりゃ確かに「遠隔マジック」だけどさ……。
このドラマシリーズも最初の頃はなかなか良く出来ていた記憶がある(「刺青殺人事件」は傑作だったはず)のだが、後期の本作は無残としか言いようがない。原作に愛着のある人にこそ、是非観ていただいて萎えまくって、話のタネにして欲しい作品だ。
ゲスト出演は中尾彬、沖直美、寺泉憲岡安由美子など。