光原百合『銀の犬』

銀の犬

銀の犬

光原百合の新作は、「祓いの楽人」オシアンとその連れのブランを中心に、伝説に残る妖精たちが繰り広げる人間臭いドラマを描いた作品集。ファンタジーなので、ミステリを期待して読まない方がいいけれど、エピソードによってはミステリ的な驚きも用意されているので、ミステリファンにもお薦めできる。その点での個人的ベストは「恋を歌うもの」だ。ただ、ファンタジーを読み慣れていない私は、全体の世界観をイメージするのに苦労して、読破するのが結構大変だったのだが……。それと作者には珍しく、やや過激というか大人っぽい描写も見受けられる。リアルな人間じゃないからこそ、ここまで踏み込んで描けているのだろうか。


さて、ここで告知を再び。
光原さんの新刊『銀の犬』発売を記念して、尾道にてサイン会が行われます。
7/1 15:00〜16:00(予定) 尾道市・啓文社福屋ブックセンターにて
既に啓文社各店にて発売中です。お買い上げの方に「整理券」をお配りしています。電話による問い合わせ、予約にも応じています(TEL 0848-21-1520)が、私にご一報くださっても結構です。整理券を確保いたします。当日も裏方として手伝っているはずです。