「文蔵」2006年8月号
- 作者: PHP文庫「文蔵」編集部
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2006/08/02
- メディア: 文庫
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そして書き下ろし短編が2作品。
石持浅海「金の携帯 銀の携帯」:携帯を修理する間に使う代替機としてショップのお姉さんが出した最新機種にはそれぞれ5千円分と5万円分の電子マネーが残っていた。どっちを借りるべきなのか? ……と、店頭で悩み続けるだけの短編。たったそれだけなのに、裏の裏の、そのまた裏を読んでいく、いつもの石持作品の乗りなので笑ってしまう。
乾くるみ「卵消失事件」:こちらも乾くるみらしい短編。バカバカしいようなアイデアのために、多分相当な労力を費やしているに違いない。同様のネタを使ったもっと完成度の高い前例もいくつか思い浮かぶが、このネタに挑んだだけでも素晴らしいと思う。とりあえず何も言わずに読んでみてよ、と人に薦めたくなる作品だ。
石持は「隔月連載」となっているし、乾は副題が「カラット探偵事務所の事件簿1」となっているので、二人とも、この雑誌で今後作品を発表していくようだ。