東野圭吾『赤い指』
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/07/25
- メディア: 単行本
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直木賞受賞後第一作は、元々短編だったものを長編化した作品だそうだ。少年少女が殺される事件は最近でも実際に頻発しているので、わざわざこんなリアルな題材を読まされなくても、とも思ってしまうが、相変わらずのリーダビリティーの高さで感情移入でき、一気に読ませてくれる。後半の展開も、ラストの真相も、実に後味が悪く、読後感も決して良くはない小説だが、「家族愛とは何か」など、いろいろ考えさせる部分も多い。特に245ページは感涙必至だろう。社会派作品の傑作も多い東野作品の中では小粒に感じられるかも知れないが、読んで損はない作品だと思う。