島田荘司『UFO大通り』
- 作者: 島田荘司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 単行本
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島田荘司の文章は基本的に「下手」だと思う。読み始めた時は、そういう箇所で何度も止まってしまう。が、作品世界に浸っていくにつれて、そんなことは忘れてしまい、純粋に物語を楽しんでいる自分がいるのだ。他の作家がやったら「ただのトンデモミステリ」と片付けられそうなアイデアなのに、何故か島田荘司なら許せるし、感心してしまう。表題作も、真相を知ると「なんだよ」と思ってしまいそうなのに、それをよくここまでユニークかつ読ませる話にしてるものだなあと感動する。「傘を折る女」は「九マイルは遠すぎる」風の安楽椅子探偵ものだが、これまた奇想っぷりが楽しくて一気読みした。でも事件の真相部分というか、当事者側の物語は後半にまとめた方が良かったような気がする。二つの作品に共通するネタもあって面白かった。